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学資保険と税金~税金対策にもなる?FPが教える所得控除と満期金

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学資保険と税金の関係

学資保険で貯蓄してきたお金を受け取る時、税金はどうなっているのでしょうか?

学資保険で地道にお金を貯めても税金がかかったら損した気分ですよね。加入する前に、学資保険と税金の関係をしっかりと理解しておきましょう。

学資保険は所得控除の対象になる

子どものための教育資金を貯める学資保険は、生命保険の1種。生命保険に加入していると、生命保険料控除という税制上の優遇を受けることができます。生命保険は長期間の支払いになるので、毎年所得控除の手続きを行いましょう。

ここからは生命保険料控除の詳しい説明と保険料控除を受ける手続きの方法を解説します。

生命保険には3種類の保険料控除がある

生命保険料控除は、1年間に支払った保険料に応じて、決められた金額が所得から控除されることです。

つまり生命保険料控除を受けることによって、住民税や所得税を節税することができるのです。生命保険料控除の対象となる生命保険は、主に次の3種類があります。

1.生命保険
2.個人年金保険
3.介護医療保険

学資保険は生命保険の枠に入り、加入している保険会社が10月から年末にかけて、「生命保険料控除証明書」を送ってくれます。この生命保険料控除で所得控除を受けることができるかどうかを確認することができます。

生命保険料控除は、3種類をそれぞれ適用することができます。例えば、生命保険の学資保険で保険料控除、介護医療保険の医療保険で控除、そして個人年金保険で控除することができるのです。つまり最大3つの保険料控除を受けることができるというわけですね。

生命保険料控除の新制度と旧制度

生命保険料控除には、新制度と旧制度があります。

平成24年1月1日以降に契約した生命保険には新制度が適用され、それ以前のものには旧制度が適用されます。新制度と旧制度の大きな違いは、控除額です。

旧制度では一般生命保険料控除5万円、個人年金保険料控除5万円の計10万円だったのに対して、新制度では一般生命保険料控除4万円、個人年金保険料控除4万円、介護医療保険料控除4万円の最大計12万円を節税することができます。

契約年度によって適用される控除額が変わるだけなので、特に気を付ける必要はありませんが、注意が必要なケースもあります。

例えば、平成24年以前に契約をした保険の見直しを24年度以降に行ったとしましょう。終身保険と養老保険だけ見直して、学資保険だけを変更した場合には、旧制度でも新制度でも保険料控除の申請を行うことができます。

もし保険料控除額が4万円を超えるような場合は、上限額が5万円の旧制度で申請をしたほうがお得ですよね。

もしあなたが新制度と旧制度の両方で申請できるような状態ならば、どちらを利用するのかをしっかりと考えないといけません。

控除額の計算方法

控除額の計算方法は、旧制度と新制度によって異なります。これから学資保険に加入する方は新制度の計算方法を参考にしてください。

新制度の計算方法

年間の支払い保険料など 生命保険料控除額
20,000円以下 年間の支払い保険料などの全額
20,000円超 40,000円以下 支払い保険料など×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払い保険料など×1/4+20,000円
80,000円超 一律 40,000円

一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料合わせて12万円が上限です。

旧制度の計算方法

年間の支払い保険料など 生命保険料控除額
25,000円以下 年間の支払い保険料などの全額
25,000円超 50,000円以下 支払い保険料など×1/2 + 12,5000円
50,000円超 100,000円以下 支払い保険料など×1/4 + 25,000円
100,000円超 一律 50,000円

一般生命保険料、個人年金保険料合わせて10万円が上限です。

生命保険料控除の対象となるのは、その年に実際に支払った金額。つまり12月31日までに支払っていない金額は、控除の対象になりません。

平成29年12月の保険料の支払いを12月31日までに行うのを忘れていて、平成30年の1月に支払ったとすると、支払った金額は平成29年の保険料控除ではなく、平成30年の保険料控除の対象になります。

またレアなケースではありますが、保険料を一時払いした場合には、初年度生命保険料控除を受けることができませんので、注意が必要です。

一時払いと似ているのが前期前納払い。一時払いとの違いは、前期前納払いは全期間の保険料を保険会社に「預ける」ということです。そのため、生命保険料控除は毎年受けることができます。

税金対策目的で学資保険加入するのは注意

学資保険に加入すると節税でき、家計の大きな手助けとなります。最大で18年間支払うとすると、毎年4万円の節税、合計で72万円もの節税ができるのです。

しかし、節税のために学資保険に加入するのはあまりおすすめできません。

学資保険は生命保険料控除の枠に分類されますが、同じ枠に養老保険や死亡保険も含まれます。つまり、学資保険以外の対象となる生命保険の年間支払い総額が8万円を超えていたのならば、新たに学資保険に加入しても生命保険料控除にはなりません。

学資保険は、あくまでも子供の教育資金を貯蓄するためにあります。

次に、保険料控除を受けるための手続きをご紹介します。少し面倒でも毎年しっかりと節税を行いましょう。

保険料控除を受けるためには確定申告は必要?

生命保険料控除を受けるためには、手続きを行わないといけません。

この手続きは、主に①会社員と⓶フリーランスや個人事業主の2種類に分けることができますが、どちらの場合でも、生命保険料控除証明書が必要になります。

生命保険料控除証明書は、10月から年末ころまでに加入している保険会社から送られてきます。これは保険料控除を受けるためには、必ず必要なものなので捨てずに取っておきましょう。もし紛失しても、生命保険会社に連絡すると再発行してくれます。

①会社員の場合

会社員の場合は、勤め先に記入済みの「給料所得者の保険料控除等申告書」を提出します。

これで年末調整の際に保険料控除を受けることができます。

もし提出するのを忘れた場合には、次に紹介するフリーランス・個人事業主の手続きを個人で行いましょう。

⓶フリーランス、個人事業主の場合

フリーランス・個人事業主の方は、確定申告時に生命保険料控除証明書を提出する必要があります。

確定申告書には生命保険料控除の欄があります。そこに必要事項を記入して、生命保険料控除証明書を添付し、提出するだけです。

保険料控除を受けるのは難しくありません。家計を助ける意味でも、毎年生命保険料控除の申請手続きは忘れずに行いましょう。

学資保険の満期金には税金がかかるのか?

学資保険に加入すると、子供の教育資金が必要となる時期に祝い金や満期金としてまとまった額のお金を受け取ります。

学資保険で受け取る金額に税金がかかることは、ほとんどありませんが、まれに税金がかかる場合もあります。ここからは学資保険で受け取るお金と税金についての関係を紹介します。

一時所得とは?

学資保険で受け取る満期金は一時所得に分類されます。一時所得とは、営利を目的としない行為によって発生した一時的な所得のことです。

一時所得には、生命保険や損害保険の満期金の他、懸賞や競馬などで得たお金も含まれます。この一時所得は課税対象となりますが、普通に学資保険の満期金が課税対象となることはほとんどありません。

一時所得には50万円の控除額があるので、受け取った額全てが所得としてみなされません。一時所得の計算方法は、以下の通りです。

一時所得 = 一時所得の対象となる総収入 - 収入を得るために使った額 - 特別控除額の50万円

生命保険の場合は、収入を得るために使った額は保険料の総額のこと。確定申告書に記入しなければいけない金額は、一時所得×1/2です。具体的に見ていきましょう。

毎月2万円の保険料を支払い、満期金400万円を18年後に受け取ることができる学資保険に加入したとします。

この場合は次の計算式を立てることができます。

保険料総額 = 2万円 × 12か月 × 18年 = 432万円
一時所得 =(400万円 ‐ 432万円 ‐ 50万円)×1/2 = ‐41万円

一時所得がマイナスになっているので、自営業でも、会社員でも、主婦でも課税の対象にはなりません。自営業・フリーランスの方は0円以上になると課税の対象になりますが、そうそう学資保険で課税対象になることはないでしょう。

雑所得とは?

学資保険では、満期金の他に学資年金で受け取ることができます。学資年金とは、満期を迎えたあと学資年金を毎年分割して受け取るタイプのこと。

学資年金の場合は、一時所得ではなく雑所得としてみなされます。雑所得も一時所得と同じく所得税の1種ですが、一時所得とは大きな違いがあります。それは、雑所得では50万円の特別控除がないということ。雑所得の計算式は以下の通りになります。

雑所得 = 学資年金額 - (学資年金額 × 払込保険料総額 ÷ 総支給見込み額)

では、払込保険料総額280万円、総支給見込み額300万円、学資年金額75万円で雑所得を計算してみましょう。

雑所得 = 75万円 - (75万円 × 280万円 ÷ 300万円)= 51,000円

この場合、雑所得として51,000円が課されますが、契約者が会社員の場合は課税されません。会社員は他に合算する雑所得がない場合には20万円まで非課税となるからです。

自営業者は0円以上から課税対象となり、51,000円に課税されます。課税額は契約者の収入によって異なります。課税率を20%とすると、支払わなければいけない金額は、以下の通りです。

51,000万円 × 20% = 10,200円

この10,200円は毎年払う税金。4年間に分割して学資金を受け取ると仮定しているので、合計は10,200円 × 4年 = 40,800円。約4万円の税金負担は大きなものでしょう。

ちなみに、一時所得として受け取った場合には以下のように計算でき、自営業でも課税対象にはなりません。

300万円 - 280万円 - 50万円 = -30万円

こうやって見ると、自営業の場合、満期金を一時所得として受け取った方が有利に見えますが、学資年金で受け取る方が、普通は返戻率は高くなります。そのため、税金負担を考えながら、どのように満期金を受け取るのかをしっかりと考えましょう。

学資保険では受取人が重要

学資保険に契約する際には、学資金の受取人を決める必要があります。この受取人を誰にするかは、非常に重要。多くの場合は、親が保険料を支払い、親が受け取りますので、この収入は所得税に分類されます。

学資保険の所得税は一時所得、もしくは雑所得とみなされるので、課税対象になることはほとんどありません。

問題は受取人を子どもにした場合です。子どもは当たり前ですが、自分で保険料を支払いません。親が支払った保険料を子どもが受けとるのです。つまり、この場合には学資保険で得た金額は贈与税の対象となってしまいます。

贈与となると、税金がかかる可能性が高くなってしまうので要注意です。契約者が親で受取人が子どもの場合の他に、契約者が祖父母、被契約者が子ども、そして受取人が親の場合も贈与税の対象となります。

税金がかかるケースもある

学資保険の満期金や祝い金が贈与税の対象となった場合、課税される額はあなたが思っている以上に大きな額となります。まずは下の表をご覧ください。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

贈与税には、基礎控除として110万円がありますので、贈与された額(学資保険で得たお金)から110万円を引いて、表の税率に当てはめて計算すると贈与税を出すことができます。

満期金400万円を受け取るケースで計算してみましょう。
受取額 - 基礎控除額 = 400 - 110 = 290万円
290万円は300万円以下なので(290 × 15%) - 10万円 = 33万5千円

つまり33万5千円が贈与税として課税されることになります。一時所得では課税額が0円でしたから、大きな違いですよね。

贈与税となると課税対象になる確率が非常に高いので、受取人選びは慎重に行いましょう。

学資保険の税金まとめ

学資保険で課税されるケースは、ほとんどありません。むしろ学資保険に加入することで節税できるのです。しかし、税金がかかるケースもありますから、学資保険選びでは、①保険金の受けとりタイプ(一括、または年金)⓶受取人(親、または子ども)➂返戻率に注意しましょう。

もしどのように学資保険選びをすればいいのか迷ったのなら、お金のプロであるFPなどに相談することをおすすめします。

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